マレーシアと日本の違いとは?移住で失敗しないよう4ジャンルを徹底解説

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マレーシアに長期で滞在したり、移住する場合「日本とマレーシアの違い」を理解しておくことはとても大切です。それらを知らないと「文化や生活習慣」「ビジネスマナーや時間に対する認識」など「日本の常識が世界の常識ではない」と感じることが多いかもしれません。

この記事では「気候と自然環境」「文化と生活習慣」「社会と教育」「働き方とビジネスマナー」の4つに関してまとめてみました。

気候と自然環境の違い

マレーシアの熱帯気候と日本の四季

マレーシアと日本気候は大きく異なります。マレーシアは赤道付近に位置しているので、年間を通じて高温多湿の熱帯雨林気候です。一方日本は四季が明確な温暖湿潤気候で春、夏、秋、冬とそれぞれ異なる気候を楽しめます。実際日本の春では桜が咲き、秋には紅葉が見られるのに対し、マレーシアでは年中緑豊かな景色が楽しめます。

自然環境の違い:ジャングルと都市生活

マレーシアでは、熱帯雨林が多く国内のかなりの割合を占めています。なかでもボルネオ島には世界的に有名な熱帯雨林があり、野生動物が数多く生息しています。一方でクアラルンプールのように大都市もあり、近代的な都会生活を楽しめます。

日本はその自然環境と都市の調和に特色があり、高層ビル群と山々や温泉地などの自然が共存しています。ジャングルの探検が日常的に出来るマレーシアに対し、日本では四季折々の景色を楽しんだりハイキングすることが人気です。

気温と湿度の違いが生活に与える影響

マレーシアは年間を通じて気温が25~35度程度と高いことに加え、湿度も非常に高く冷房の使用が日常的です。また、スコールと呼ばれる突発的な大雨がほぼ毎日のように降ります。そのため屋外での活動には耐水性のある服装が必要となります。

日本では夏は湿度が高いですが、冬は乾燥しやすく、季節によって生活スタイルが変化します。そのため冬には暖房が必要となり、衣替え等の準備も必要です。こうした気候と湿度の違いが、生活そのものやインフラにも影響を与えていると考えられます。

文化と生活習慣の違い

多民族国家ならではの文化の多様性

マレーシアと日本の違いの一つが、多民族国家であるマレーシアならではの文化の多様性です。マレーシアの人口構成は、マレー系が約60%、中華系が約20%、インド系が約6%となっています。またそれぞれの民族が独自の文化や伝統を持っています。このような背景から、マレーシアでは複数の言語が日常的に使われています。

例えば公用語であるマレー語に加えて英語や中国語、ヒンドゥー語も広く使われています。また、多様な文化が共存しているので、異文化への理解が深く、マレーシアでは多くの人が当たり前のように他民族の文化を受け入れています。

食文化の違い:ローカルフードと日本食

マレーシアの食文化は、バラエティに富んでいる点が特徴です。マレーシアでは中華料理、インド料理、マレー料理を筆頭に、さまざまなローカルフードが楽しめます。例えば、ナシレマ(ココナッツミルクで炊いたご飯)やロティチャナイ(丸くて平たいパン)といった代表的な料理がその良い例です。

日本食は、日本よりも割高になることが多いです。都市部では寿司やラーメンなど日本食レストランも増加傾向にあります。また、マレーシアでは飲み物に砂糖を入れることが一般的で、日本に比べて甘い飲料が多いことも特徴であると言えます。

宗教とその影響:イスラム教と日常の関わり

マレーシアはイスラム教徒が国民の約60%を占めています。そのため、日常生活にも宗教的な影響が垣間見られます。例えば、イスラム教徒は基本的に豚肉を食べません。ハラルと呼ばれるイスラム教の教えに基づく食品が推奨されています。

またラマダン期間中イスラム教徒が断食を行ない、日中の飲食は控えられます。観光客であっても礼儀として公共の場では注意する必要があります。このように、一国の宗教が生活に深く根付いている点は、日本との大きな違いとなります。

トイレ文化やマナーの違い

マレーシアと日本のトイレ文化は大きく異なります。マレーシアでは、トイレでウォシュレットの代わりに手動の水洗用ホースが設置されているのを見かけます。また、トイレットペーパーが置かれていない場合もあるため、持参することをお勧めします。さらに、使用後の紙を流さず、専用のゴミ箱に入れて棄てるのが一般的なルールです。

トイレマナーの面で日本では便座に直接座ることが普通ですが、マレーシアでは清潔な座り方を意識して、便座を覆うシートを使う場合があります。このように、トイレの利用方法やマナーが異なります。マレーシアに旅行や長期滞在する前に、習慣をインプットしておくことが快適な旅行や生活の鍵となります。

社会や教育の違い

日本とマレーシアの教育システムの違い

日本では小学校から中学までの義務教育9年と、高校3年の6-3-3の学年構成で厳格に進められます。一方でマレーシアの義務教育は初等教育は6年と中等教育は5年の11年、その後大学予備コースが約1年半があります。

マレーシアには言語や宗教背景が異なる多民族が共存しているため、公立学校だけでなく、中国語やタミル語(インド、スリランカ、シンガポールの公用語)を使う学校、私立学校、インターナショナルスクールなど多様な教育機関が存在しています。マレーシアでは、早い段階から多文化や多言語に触れる環境が整えられているのが特徴です。

時間に対する認識の違いとゆったりとした生活

日本では時間厳守が社会の基本的なマナーとなっています。電車の遅れが数分でも謝罪が行われるほど、時間管理が生活に溶け込んでいます。一方、マレーシアでは時間に対する認識が非常に柔軟で、「マレーシア時間」と呼ばれる位、予定が遅れることが許容されている文化があります。

現地では交通機関の遅延や日常のスケジュールの変更もまま見られますが、一方でゆったりとした時間の流れがあり、人々はストレスなく生活を楽しむ傾向があります。

学校生活と多言語教育の特徴

日本の学校生活で大きな違いとして、マレーシアでは言語教育が多様であることです。マレーシアでは公用語のマレー語のほか、英語、中国語、ヒンドゥー語など複数の言語が教育現場で使用されています。この多言語教育によって、学生たちはコミュニケーション能力を高め、国際的な活躍機会の幅を広げています。

一方で日本では主に国語(日本語)を学んで、英語教育は中学以から高校、大学で本格化します。両国の言語教育の違いは、両国学生の国際的な競争力や多文化に対する適応能力にも影響を与えていると言えるでしょう。

公共交通機関と車社会の違い

日本では電車やバスなど公共交通機関が非常に発達しており、時間通りに運行することが基本となっています。利便性が高いため、通勤や通学にも公共交通を利用する人が多いのが特徴です。

一方マレーシアは車社会であり、クアラルンプールやジョホールバルなど都市部では交通渋滞が日常的です。公共交通機関としてモノレールや地下鉄もありますが、十分整備されておらず、多くの人が車で移動しています。そのため、公共交通機関を利用した通勤文化は日本ほど浸透していませんが、車社会なので自由な移動が可能です。

働き方やビジネスマナーの違い

上司と部下の関係性:フラットな文化とヒエラルキー

マレーシアと日本の違いとして、職場の上司と部下の関係性が挙げられます。日本では長年に渡り年功序列が重視され、上司と部下の間には明確なヒエラルキーが存在していました。部下は上司に敬意を払い、決定事項に直接異議を唱えることはあまりありません。(近年日本の年功序列制度も変化が見られますが。)

マレーシアでは多民族国家であるため、文化の多様性が組織内にも反映されることがままあります。上司と部下の関係が比較的フラットで、意見交換しやすい職場環境も多いです。特に多文化生活圏では、コミュニケーションが柔軟であるため、上下関係でも自由度が高い傾向にあります。

労働時間と休憩時間の考え方の違い

日本では、長時間労働が一般的で、勤務時間外に仕事をするケースが多く見られます。これは、責任感や仕事に対する真摯な姿勢を重んじる文化に起因しています。一方、マレーシアでは労働時間と休憩時間のバランスを重んじる傾向があります。多くの企業では労働時間がはっきり定められ、定時退勤が尊重されます。

マレーシアではイスラム教徒が多いため、礼拝の時間がスケジュールに組み込まれていることが多く労働文化に影響を与えています。このように、マレーシアでは心身の健康や家族との時間を重視する考え方が浸透しています。

仕事の進め方:時間厳守の日本と柔軟なマレーシア

日本において、時間厳守は非常に重要な価値観です。会議や締め切りの時間が守られることは当然とされ、それに遅れることは信頼関係に悪影響を与えると見なされます。一方、マレーシアでは時間に対する認識が緩やかで、約束の時間や仕事の締め切りに対して比較的柔軟な姿勢が取られることがあります。

この理由は日常生活における時間の流れや多文化・多宗教によるライフスタイルの違いが影響しているものと考えられます。例えば、突然のスコールや交通渋滞が日常的にあるため、時間厳守が難しいともいえます。とはいえ近年グローバル化の影響もあり、特に都市部の企業では時間管理への意識が高まりつつあるようです。

まとめ

日本とマレーシアは気候や生活習慣も異なるため、日本からマレーシアに移った場合戸惑うことも多いと思います。しかし「違う国なんだから、異なる所があるのは当たり前」と考えた方がいいです。併せてその国や人をリスペクトする気持ちをもつことも大切です。

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