マレーシアに長期滞在する場合、「現地の治安はどうなのか?」非常に気になるところです。この記事では「マレーシアの治安の世界ランキング」や「治安が良いとされるエリア」「注意が必要なエリア」「現地での治安対策」についてまとめてみました。
マレーシアの治安事情の全体像
マレーシアの治安が「比較的良い」と言われる理由
マレーシアはアジア諸国の中で、観光やビジネスで訪れる日本人も多い国で、治安が「比較的良い」との評価を受けています。その理由として、政治状況と経済基盤の安定が挙げられます。また、地方都市やリゾート地において地元住民のコミュニティ意識が強いため、事件やトラブルが少ない傾向があります。
さらに、観光地や主要な都市部では警察のパトロールが強化されているので街や人々に対して安全性を向上させています。スリや詐欺などの軽犯罪が発生しているものの、他の東南アジア諸国と比較すると、マレーシアの治安は高い水準を維持していると言えます。
世界平和指数から見るマレーシアの治安ランキング
マレーシアの安全性は、経済平和研究所(IEP)による世界平和指数からも見て取れます。2023年のデータによると、マレーシアは世界ランキングで19位に位置し、東南アジア諸国の中でも上位にランクインしています。これは同地域内では非常に高い評価であり、9位の日本と比較しても、全体的に安定した安全性があることを示しています(シンガポール6位、台湾31位、ベトナム41位、韓国43位等)。
ただし、一部地域や夜間には注意が必要な場合もあるため、それぞれの環境や局面に応じた対策が必要であることは言うまでもありません。
軽犯罪の発生率とその注意点
マレーシアの犯罪件数の多くは軽犯罪に分類されます。2023年のデータで、スリや置き引きなどの窃盗犯罪が約42,000件報告され、全犯罪の約80%に及んでいます。観光地の混雑したエリアで観光客を狙ったスリが多発しており、特にショッピングモールや公共交通機関を利用する際には注意が必要です。
また、交通事故絡みのトラブルも少なくありません。車を運転をする時、歩行者として道路を横断する際には、用心を怠らず周囲の状況に目を配ることが重要です。貴重品を人目に触れないようにすることでこれらの軽犯罪を予防することが可能となります。。
観光客にとっての安全度
観光客にとっても、マレーシアは比較的安全な国とされています。主要都市や観光地では、ツーリスト向けのインフラが整備されており、日中の観光は安心して楽しむことが可能です。しかし夜間は交通量が減少し人通りも少なくなるため、女性の一人歩きには注意が必要です。また、外国人を狙った詐欺案件も発生、特に移動の際に過剰な料金を請求されるケースが報告されています。
対策として、タクシー配車アプリを活用してトラブルを回避する工夫も大切です。マレーシアの治安ランキングでは、クアラルンプールやペナン島などの観光地でも安全環境が確認されていますが、細心の注意を払い油断しないことで安心した旅行を楽しむことができるでしょう。
治安が良いエリア4選
クアラルンプール市内の安全な地域
クアラルンプールはマレーシアの首都でありながら、場所によって治安状況は変わります。その中でも、「ブキッ・ビンタン(Bukit Bintang)」や「KLCC(クアラルンプール・シティ・センター)」周辺は観光地として開発が進む人気のエリアで、警察の巡回も多く比較的安全です。
また、ショッピングモールやホテルが集まる地域では、セキュリティ体制が整備されており、安心して過ごすことができます。ただし、多くの観光客が集まるためスリや置き引きには気をつけましょう。
シャーアラムの治安の良さ
シャーアラム(Shah Alam)は、クアラルンプールの郊外に位置する都市で、マレーシアの州のひとつ, スランゴール州の中心地でもあります。ここは住宅地として整備が進んでおり、ファミリー層が多く居住するエリアとして知られています。犯罪発生率が低く、日常的に安全な街として評価されています。
また、緑の多い公園やモスクなどの観光スポットも多く、穏やかな雰囲気も人気です。旅行者にとって落ち着いた環境で過ごすことができ、観光スポットも多いのが魅力です。
ジョホールバルの安心なエリア
ジョホールバル(Johor Bahru)はシンガポールに接している都市で、観光やビジネスで多くの訪問者が訪れます。特に、市内中心部の「ジョホールプレミアムアウトレット」や「ムントリ通り」周辺は警察の巡回頻度が高く、治安が保たれているエリアです。
こうしたエリアでは夜間も比較的安全と考えられますが、シンガポールとの国境付近では人混みで混雑する時間帯ではスリが発生しやすいため注意が必要です。
ペナン島の安全な観光スポット
ペナン島は観光地として高い人気を誇り、治安が比較的良いことでも評判です。特に首都ジョージタウン周辺やバツーフェリンギといった人気のエリアは地元警察によるパトロールが定期的に実施され、安全に観光を楽しむことができます。昼間の時間帯では、歴史的な建築物を巡ったり、街の食べ物を楽しむのに最適な環境です。
ただし、夜間は一部の通りでは人通りもまばらとなるため、単独行動は控えてグループで移動するよう心掛けると良いでしょう。
注意が必要なエリアと危険ポイント
夜間外出で注意すべき都市部
マレーシアの夜間は昼間に比べて交通量や人通りが少なくなるため、一部のエリアでは注意する必要があります。特に、クアラルンプールやジョホールバルの繁華街では、夜間の一人歩きしていてトラブルに巻き込まれるケースが報告されています。
特に女性や旅行者が一人で出歩くことは避けるべきで、タクシーや配車アプリを利用して安全な移動が安心に繋がります。また、人気の無い裏道や住宅街などは暗く、周囲が見えづらいため避けることが無難です。
スリやひったくりが多発する場所
マレーシアでは、観光地やショッピングモールなどでスリやひったくりが発生することがあります。特にクアラルンプールのブキッ・ビンタンやチャイナタウン、さらにはペナン島のジョージタウンなどの観光客の多い人気のエリアは注意が必要です。
スリは、カバンやポケットに貴重品を無防備に入れている観光客を狙うことが多く、周囲に気を配りながら行動しましょう。また、ひったくりはバイクを利用してのケースが多いので、歩行中は道路側にバッグを出さず、(道路と)逆側で持ちましょう。
外国人が狙われやすい詐欺の手口
観光地では外国人を狙った詐欺の報告も増えており、用心が必要です。詐欺の手口として多いのが、親切を装い現地人から高額な請求されるケースや、偽のタクシードライバーによる料金水増しされるケースです。
またクアラルンプール国際空港では正式な配車アプリや公式タクシーを利用することが推奨されています。その他、ギャンブル詐欺や偽の募金活動なども発生しており、不審な勧誘には毅然と断ることが大切です。「お金をすぐに要求される」ような話を信用してはいけません。
治安維持のための対策と安全に過ごすポイント
地元民や先輩旅行者の知恵を活用する
マレーシアで安全に過ごすためには、地元の人々や過去に訪れた旅行者からのアドバイスを参考にすることが重要です。例えば、地元の人々は治安の良し悪しを熟知しており、安全なエリアや避けるべき場所を具体的に指示してくれます。
また、現地情報に明るい旅行者のブログやSNSなども非常に参考になります。特に、クアラルンプールやジョホールバルの観光地では、スリやひったくりを防ぐための情報や注意点がオープンになっています。
旅行者におすすめのアプリとツール
旅行者の安全を守るために、事前に役立つアプリをダウンロードしておくと便利です。例えば、「Googleマップ」や「Grab」(マレーシアの主要な配車アプリ)は移動の際に便利で安全性を向上させます。
また、非常時に備えて警察や緊急連絡先を即座に呼び出せる機能を持つアプリ「ServicePack」もおすすめです。さらに、地元や観光客の安全情報を提供するアプリ「たびレジ」もあるため、最新情報を随時確認することが安全に繋がります。
万が一のための緊急連絡先一覧
万一トラブルが発生した場合のために、緊急連絡先をおさえておくのは非常に大事です。以下に旅行者がカバーしておくべき連絡先を挙げます。
マレーシア警察: 999
消防・救急: 999
大使館(日本人の場合は在マレーシア日本大使館): +60-3-2177-2600
観光客センター: +60-3-8891-7000
これらの番号を旅行前にスマートフォンに登録しておきましょう。また、言語に不安のある方は、現地語や英語でのやり取りができる翻訳アプリも用意しておくと安心です。
まとめ
マレーシアは他の東南アジア諸国と比較しても「治安は良好な国」と考えられます。とはいえ「安全ではないエリアがあること」や「エリアや時間帯でスリや詐欺が起こりうる」ことは注意しなければなりません。治安対策でまとめた緊急連絡先はメモしておくことをおすすめします。