介護施設の選び方のポイントとは?失敗しないための4項目

介護の基本

家族(私は母親)が入所する介護施設選びは慎重に行いたいものです。この記事では私の経験も交えながら介護施設の選び方のポイントをまとめてみました。

1. 介護施設の種類と特徴を理解する

介護施設の主な種類(老人ホーム、デイサービスなど)

介護施設にはさまざまな種類があり、目的や提供されるサービスが異なります。たとえば、老人ホームには「介護付き有料老人ホーム」や「住宅型有料老人ホーム」などがあります。また、「特別養護老人ホーム」や「介護老人保健施設」といった公的施設も多数存在します。

他にも、通所型サービスである「デイサービス」や、訪問介護を組み合わせた「サービス付き高齢者向け住宅」なども選択肢に含まれます。通所型サービスとはサービス利用者自らが出かけて、何らかのサービスを受ける形態となります。これらの違いを理解することが、適切な介護施設の選ぶ時には重要です。

種類ごとの特徴とメリット・デメリット

介護施設にはそれぞれの特徴やメリット・デメリットがあります。たとえば、「介護付き有料老人ホーム」は要介護の方を24時間サポートできる体制が整っている一方で、費用が比較的高額になるケースがあります。「住宅型有料老人ホーム」は自立から入居可能で費用負担が軽めですが、必要な介護サービスは別途手配が必要です。

また、「サービス付き高齢者向け住宅」はバリアフリー仕様で安心ですが、手厚い介護が求められる方には適さない場合もあります。介護施設を選ぶ時には、施設ごとの特徴を比較し、ご自身やご家族の状況(身体や予算)に合った施設を選ぶことが大切です。

因みに母の入所先は「住宅型老人ホーム」を選びました。このホームは全国展開するチェーン店で看護師・介護士による24時間サポートが付いています。入所対象者は「ガン末期」「人工呼吸器や期間カニューレ」「神経変性疾患等」の人たちです

要介護人や家族の状況に合った施設の選び方

介護施設の選び方のポイントは、要介護人やご家族の状況やニーズを正確に把握することです。たとえば、一人暮らしが不安な場合は24時間介護体制が整った施設が選択肢となるでしょう。逆に、日常生活であまり介護サポートが必要でない場合、比較的費用が抑えられる「サービス付き高齢者向け住宅」や「住宅型有料老人ホーム」が候補となるでしょう。

一方認知症などの専門ケアが必要な場合には、グループホームは有力候補となるでしょう。このように、ニーズの中から優先順位をつけて介護施設を選ぶことが、今後より良い介護生活を送るためには重要です。

2. 契約前に重視したい施設のポイント

施設内の清潔さと雰囲気

介護施設を選ぶ上で、施設内の清潔さや雰囲気は非常に大切です。清潔な環境は、利用者の生活の安心につながり、感染症予防等安全に対応していると言えます。また、施設内の雰囲気は入居者や家族の信頼感にも直結します。

見学する時には、廊下や入居室だけでなく、トイレや浴室などが適切に清掃されているかを確認しましょう。施設全体の明るさ(照明)やスタッフや入居者の表情が和やかであるかもチェックポイントです。スタッフに声掛けしてみるのもおすすめです。

職員の対応や人員体制

職員の対応や人員体制も、介護施設の選び方で見逃せません。職員が入居者一人ひとりに対して親切で丁寧な対応をしているかどうか?気を配ってみましょう。ただ一回だけだとわからないので、入所後も気にかけてみましょう。

また緊急時や問題が発生したときに「どのような対応をしているか?」具体的に聞いてみることもおすすめです。人員体制では、施設内の職員1人あたりの担当入居者数を把握することで、「入居者が十分なケアが受けられるか?」の判断材料となります。

医療提携や緊急時の対応体制

医療提携や緊急時の対応体制が整っているかどうかは、入居する介護施設を選ぶための大事なポイントです。例えば、「日常的な対応が可能な看護師が常駐しているか?」、「近隣の病院との医療連携がどの程度とれているか?」をスタッフに確認しましょう。

また、夜間や緊急時に「どのような対応になるのか?」も説明してもらいましょう。こうすることで入居者やその家族が「万が一の場合でも入居者と安心して任せられる環境かどうか?」を掴むことができます。

3. 入居者や家族にとって重要な環境と立地

施設周辺の環境やアクセス性

介護施設を選ぶ際には、施設周辺の環境やアクセス性は外せないポイントとなります。例えば、施設が交通の便が良い場所にあるかどうかは、家族のお見舞いや面会の利便性だけでなく、緊急時に「医療機関へ速やかに移送できる」という安心感にもつながります。

また施設周辺が静かで緑豊かな環境であれば、入居者の心身のリラックスにも寄与します。環境の安全性や近隣の治安についても事前に確認しておきましょう。私の母の入居した老人ホーム周辺は公園や草花があったため、車椅子での散歩では母親も気分転換できストレスの軽減にも繋がっていると感じました。

家族との面会の利便性

家族との面会がスムーズに行えるかどうかも、介護施設選びで見落とせないポイントです。特に高齢者が多い入居者にとって、家族との時間が心の支えになる場合が多いため、面会の利便性は重視すべきです。面会に来てくれる人にとっても利便性(都心であるか?駅からのアクセス方法と時間)は気になります。遠いと自然と足が遠のきます。

併せて施設の面会時間や駐車場の有無、公共交通機関からのアクセスなど、訪問のしやすいか?をチェックしましょう。「入居後に家族等が定期的に面会しやすい施設を選ぶことで、入居者の心の安心につながります。

地域での生活習慣や雰囲気との適合性

地域の生活習慣や雰囲気が、入居者自身の生活スタイルや価値観に合うかどうかも考えてみましょう。施設がある地域が何らかのなじみのある場所であれば、入居者にとって心理的な不安を減らすことが可能となるでしょう。また「施設が周囲の環境にマッチしているか?」散歩してみましょう。地域社会とのつながりを大切にしている施設であれば、より豊かな生活環境の場として期待できます。

4. 費用と長期的な支払い計画の確認

初期費用と月額費用の内訳

介護施設を選ぶ時には、まず初期費用と月額費用の内訳を明確に把握することが大切です。初期費用には入居一時金や保証金などが含まれることが多く、これらの金額は施設や地域によって異なります。一般的な相場として10万円~数百万円と言われ、有料老人ホームでは一時金が高額になる傾向のようです。

一方、月額費用には多くの場合、居住費、食費、介護サービス費が含まれます。ただし、施設によってはオプションサービス等の利用に追加料金が発生する場合があります。こうした費用を正確に理解し事前に計画を立てることで、長期で無理のない資金計画を立てることが可能となります。

予算と施設のサービスのバランス

介護施設を選ぶ場合、費用とサービス内容のバランスも注意すべきポイントになります。同じ費用でも、提供されるサービスの質や種類には大きな違いがある場合があります。例えば、リハビリや医療ケアが充実している施設はコストが高めになることが一般的です。

一方日常生活ケアが中心の施設は、比較的費用が抑えられるようです。複数の候補施設を比較しながら、家庭の予算に無理がない範囲で最適なサービスを提供してくれる施設を選びましょう。

トラブルを防ぐための契約内容の確認ポイント

契約前には、トラブル防止のためにも契約内容をしっかり確認しましょう。特に初期費用の返還条件や、利用を中止した場合の資金負担の有無、月額費用の変更についての記載をしっかり確認しましょう。

また、施設側が提供するサービス内容や緊急時の対応についても明確に記載されているかチェックが必要です。曖昧な点や不明な点がある場合、必ず質問して納得したうえで契約を結ぶことが基本となります。介護施設の選び方において契約内容の確認は丁寧に時間をかけて行いましょう。

まとめ

介護施設を選ぶ時には、まず介護施設の特徴をよく理解することが大切です。具体的に施設を選ぶにあたっては「施設の状態(清潔さ、雰囲気、職員の対応等)」に加え施設の立地やアクセスの容易さも見逃せません。

入所するとなると長期間になるので、入居費用や月々の費用等の資金計画もしっかり行いましょう。中々資料や電話対応だけで判断するのは難しいので、実際施設に足を運んで、アクセスや施設の雰囲気、職員の対応などを確認することが肝要です。

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