この記事では母親の介護をするなかで、心構えに関して私が意識した3つのポイントについてまとめてみました。
事前準備
家族の介護を行う場合、長丁場になることが多く、できれば事前準備をすることは大切と思います。できればというのは、介護が必要な状況は突然訪れることもあるからです。
私の母に対する介護もそうでした。母と同居することになり、毎日母と接していると、「昔に比べて動きがだいぶ遅くなったなあ」と感じたり足が衰え歩行をサポートするため、杖を使用するようになるのを見て「いずれ介護が必要になる」とは感じていました。
しかし具体的な取り組みは行っていませんでした。
「ではいつから具体的に介護に取組んだのか」と振り返ると、それは病院で「母はガンでステージ4」が判明した時です。また「母はがんの治療を受けない」と決めたので「訪問医の往診を受けた方がいい」とアドバイスを受けました。
そこから私は「親の心身の状態に気を配る」ことと「介護に関する情報収集に努める」ようになりました。具体的な対応は以下の通りです。
親の心身の状態に気を配る
実際に私が気を配ったことは次の2点です。
・病院や訪問医の先生の話した内容をメモして、理解に努めたこと
・次回の診察までに体調の変化がなかったか?気を配ったこと
特に体調が悪化する場合、何らかの原因やきっかけがあり、またそれは繰り返し起こることがあります。これは私が母の介護をするなかで経験的に感じたことです。
情報収集に努める
介護に関する情報収集は「介護情報を入手するための方法」と「介護保険や要介護のレベルで受けられるサービス」が相当します。
介護情報を入手するための方法とは「地域包括支援センター」や「ケアマネージャー」から入手することが可能です。「要介護のレベルで受けられるサービス情報」は個人リサーチやケアマネージャーからの情報が該当します。
意識したポイント1(母の意思を尊重する)
「母の存在や意思を尊重すること」、
・担当医や訪問医、ケアマネージャーとの面会時に必ず母に一言述べてもらう。
病院で血液検査の結果を聞いたり、訪問医の診察を受けたり、ケアマネージャーとの面会時の多くに私も同席していました。
普通に会社務めしていると同席は難しいこともありますが、会社のフレックス制度を利用したり、アルバイトの休日を利用して
医師やケアマネージャーとの面談に同席していました。
細かい血液検査結果や、日々の生活で注意すること等のアドバイスを受ける時は、私が聞いたことをメモできますし、相手に質問もできます
だだし医療や介護のサポートを受けながら、毎日生活するのは母です。病院では担当医の先生が「調子はいかがですか?」と質問されるので母はそれに回答し、併せて自分も話したいことを(最近楽しかったことや大変だったことなど)話していました。
これはいつも心掛けていました。
・ケアマネージャーからの相談事は必ず母にフィードバックする。
これも当たり前のことですが、「介護を受ける母が、何らかのサービスを受ける前にサービスの内容を伝える」ことを意識し実践してきました。ケアマネージャーや介護サービスの担当者から複数提案があった場合は、母に内容を説明して母が一番に臨むサービスを選択するようにしました。
意識したポイント2(母の小さな変化に注意する)
母はガンの発症後、再入院したのは4年間で4回ありました。丁度1年間に1回の計算になります。入院の直接の理由は意識障害でした。意識障害で入院後の検査で以下のような原因が提示されました。
・体内にあるステント(*)の詰まりのため
・感染症に罹患したため
最初の入院の時は私もあたふたとしてしまい、入院治療を見守るだけでした。最初の入院の時に「入院前にどんな変化があったのか?(食事や体温、態度や言葉等)」をメモに残しました。また治療してくれた担当医の先生のコメントも会話直後に書くようにクセをつけました。
入院時や体調を崩した時にはかならず兆候が現れます。兆候とは「熱が出る、食欲が落ちる、入浴日なのに入浴しない、」などです。
このクセがついたのは、入院時に病院から「どんな様子でしたか?」とか「なにか変わった様子はありましたか?」と質問を受けるためでした。
また医療関係者やケアマネージャーとの話をする時には、彼らの話をよく聞いて、わからないことは小さなことでも質問するなど積極的なコミュニケーションを心掛けました。
*「ステント」とは狭窄(きょうさく)した血管やその他の管状の箇所を内側から拡張し、開通を保つための医療機器で網目状の筒のような形をしている。
意識したポイント3(100点介護を目指さない)
介護する側も、介護を受ける側も何かと気疲れするものです。介護サポートする時も100点を目指すとプレッシャーも大きくなるしなかなか満点を目指すのは難しいです。そこで私が意識したのが以下3点です。
介護は継続することが大切
介護サポートをしていると「このサポートはいつまで続けなければいけないのだろう?」と不安に思うことが時々あります。でも大切なことは継続することなので、母親の身体の症状回復に時間がかかっても一喜一憂しないようにしていました。
「心配が重なったり、思うような成果がすぐに出なくてもガッカリしない」「100点ではなく、60点70点を目指す」ことを意識しました。
また私も疲れやストレスを溜めないように「疲れたら休憩する、昼寝する」「ストレスを溜めないように気分転換する」ことも意識しました。
母親ファーストの考え方
介護を受けるのは母親なので、受けるサービスが母親に合わない(母親が辛そう)な時は、
医師やケアマネージャーに事情を話して、代替案を検討することを意識していました。
「母親によかれ」と思って提案してくれた薬やサービスでも必ずしも母親に会うわけではありません。数か月前、しびれに効果がある薬を処方された時など「その薬を飲むと眠くなってしまう」と母が使用後話すのをきいて、薬を変えてもらうことがありました。
まとめ
親の介護を行う際に「しっかりやらねば」と思うあまり、どうしても「自分が正しい」と思いこんだり、頑張りすぎて結果的にうまくいかないことがよくあります。
ここは一歩引いて肩の力を抜いて他の人の意見も聞いてみましょう。そこからいい介護のアイデアが生まれることがあります。また介護をする人は休みをとるようにしましょう。