この記事では私(onlee)が実の母を「介護するきっかけ」、具体的な介護サポートとして「病院付き添い」「食事提供」、「外部機関から受けるサポート」についてまとめてみました。
母親を介護するきっかけ
私が母親を介護するきっかけになったのが、4年前に母親の体調に著しい変化が見られ病院で検査した結果、「ステージ4のがん」が見つかったことでした。
「ステージ4のがん」とは、がん細胞が最初に発生した臓器から別の臓器等に移動して進行している
状態をいいます。つまりがん細胞が複数の臓器に存在しているということです。
特定臓器に「がん細胞」が見つかったことで担当医から「治療をどうするか?」質問されました。
担当医の先生からは「抗がん剤」「放射線」「手術」の3つの治療法があることを聞きました。
「抗がん剤」と「放射線」の治療には髪が抜けたり、強い吐き気が出るなどの副作用があります。「手術」は開腹などの体力的負担と術後に長い痛みを経験することになります。
当時母親は85歳でした。母親に尋ねたところ「どの治療もしんどい、副作用も痛いのも嫌だ」と回答がありました。つまり「もう年だし治療は受けない」ということでした。母の言葉を担当医に伝えました。
ただ母親も「治療はしないことを決めたけれど、何もしないのも不安」とのことでした。その旨を先生に伝えると、「では月1回血液検査をして体調を見ていきましょう」と言われました。
さらに「地域のケアマネージャーに相談して、訪問医の先生を紹介してもらうと良いですよ」とのアドバイスももらいました。
私は母親と同居していることもありその時から母親の介護をサポートすることになりました。
病院付き添いと訪問医
病院付き添い
母は病院で毎月1回血液検査を受けることになりました。具体的に私がしたのは、月1回月曜日の午前中にタクシーで同行し、血液検査の結果を母と聞いて、窓口での清算業務を行う事でした。
病院までの距離は歩いて約20分かかりますが、母は足が悪く杖歩行だったので、タクシー利用となりました。窓口での清算も時間がかかることが多く母親一人での対応は困難でした。
私は母の病院同行を4年近く行いました。会社を定年退職後も雇用延長で働いていました。病院の血液検査は平日でしたが、フレックスタイムが使えたので3年間付添えました。
その後会社勤務が終了しアルバイトを始めました。また母の検査がある曜日は休めるように、会社と交渉して認めていただきました。
訪問医対応
母は「ガンがステージ4ながら抗がん剤や放射線等の治療は行わない。」ことを決めました。このため病院の医師からは「日常生活に即した医療サポートを受けた方がよい」とアドバイスを受けました。
具体的には「訪問医」に定期的に家に来てもらって診察を受けることになりました。訪問医の先生はケアマネージャーから紹介を受けました。
訪問医の先生には月2回訪問していただき、ガン以外の症状(目、皮膚科、コロナウイルスの予防接種、緊急対等)も診ていただきました。
母が意識障害で、意識が朦朧としていた時にも診察していただき、血液検査や入院対応(病院への連絡)もサポートしていただきとても助かり今でも感謝しています。
食事の提供
私の母親は来年90歳を迎えます。同居してから朝食、夕食を作ってくれていましたが、2年前(87歳)から夕食をつくるのが大変そうでした。
理由は「献立を考えるのが面倒」「鍋やフライパンが重たい」「野菜等を切る、刻むのに時間がかかる」等体力的に厳しくなったためです。
それでも食事は毎日用意しないといけません。そこで「宅配食材を利用する(週4日)」「冷凍食材を利用する(週2日)」「私か母親が夕食を作る(週1日)ことで1週間の夕食対応することにしました。これにより母の調理の負担を大きく減らしました。
私のやったことは以下の3つです。
・週4日分の宅配食材をネットで注文する。
・スーパーで冷凍食材を購入する。
・ネット注文した宅配食材を調理する。
宅配食材は「準完成品」で、炒めてソースを加えるだけの作業で済みました。自分で作る献立はカレーか鍋等の自分が好きで調理が簡単なもの、またはスーパーの総菜をメインに、一品副菜を作るくらいで極力手間をかけないように工夫しました。
宅配総菜を選ぶときに注意したことは「母でも好き嫌いの少ない中華総菜」を選んだことと「調理が10分以内」にしたことです。価格も気にしていましたが、選んだ生協系サービスは1食(2人分)で800円~1000円でした。また予算内に抑えるため、冷凍食品も組合せました。
茹でたり炒めたりする簡単な調理が多かったですが、このおかげで私は料理に対する興味が沸いてきました。「おかずをもっと美味しく食べるにはどうしたらいい?」「この味何かが足りないな?」と思って一工夫するようになりました。何より調理が楽しくなりました。
外部機関から受ける介護サポート
母の通う病院の担当医から「訪問医のサービスを受けた方が良い」との話があったので、私は訪問医を探すことにしました。
まずは地域の「地域包括支援センター」に出かけ登録を行い「ケアマネージャー」を探すために「要介護認定の申請」を行いました。その後は母は「要介護1」の認定を受けました。これが母が介護サービスを受けるスタートとなりました。
次に地域包括支援センターでもらった「居宅介護支援事業所のリスト」をもとに、最寄りの事業所を選び、事業所所属のケアマネージャーと連絡をとりました。
私は当面母が必要なサービスをケアマネージャーに伝えました。その後ケアマネージャーからは「訪問医」「リハビリサービス」「自宅での介護グッズ業者」の紹介を受けました。
その結果母がサービスを受ける回数は「訪問医の往診が月2回」「足のマッサージ等のリハビリを週1回」受けることとなりました。
「玄関、トイレ、浴室でのつかまり器具」「浴槽で転倒や滑りを防止するマット」「外出時の歩行器」はレンタルで利用することにしました。
外部機関から介護サポートを受ける際に大事なのは、まず最寄りの「地域包括センター」に出かけて「どんなサービスが必要なのか?」を相談することだと思います。相談内容から指導員の人たちが「要介護認定の申請方法」やケアマネージャーの連絡先を教えてくれます。
身内の介護をする場合、全てを一人で行うのは困難です。私は幸いなことに担当のケアマネージャーと信頼関係が築けました。ケアマネージャーに多くのことを相談し、サポートやアドバイスを受け何とか「母の介護」を積み重ねることができました。
まとめ
がんを患った母親の介護を始めて4年が経過しました。家族を介護する場合、自宅介護と老人ホーム等での介護が中心になると思います。その間試行錯誤の連続でしたが、担当のケアマネージャーの方に多くのアドバイスをいただきとても感謝しています。
一人で介護を背負うことは負担も多く辛い場面も多いです。身近な専門家としてケアマネージャーに相談することがとても大切だと感じています。