日常生活の中での介護のポイントとは?気をつけたい4項目

介護の方法

普段の生活で、いきなり家族の介護をすることになると「どうしたらいいのか?」戸惑ってしまいます。この記事では日常生活を送る中での介護の注意点についてまとめてみました。

1. 日常生活における介護環境の整備

安全な住環境を確保するための注意点

安全な住環境を整備することは、日々介護を行う際にとても重要です。まず、転倒やケガを防ぐために、段差を減らすことを意識しました。また、入口階段や浴室、トイレなどには手すりを設けて、母親が安心して移動できるよう改善しました。

日常生活に関わるこれらの対策を取ることで、母親が安心して毎日暮らせる環境作りを意識しました。

動線の設計とよく使う場所の改善

介護が必要な方が利用しやすい動線を設計することは非常に大切です。リビングからトイレや浴室、キッチンなど、日常生活で頻繁に利用する場所への移動は、なるべく短くシンプルにするよう心がけたいものです。実際に家を改装することは難しいので、壁伝いに手摺を設けたり、母が躓かないようモノを置かないようにしました。また、家具の配置を調整し、通り道を広く取るなどの工夫も有効でしょう。

利用可能な介護用品や設備の導入

介護環境を整えるためには、適切な介護用品や設備を導入することも効果的です。私の家では1階から2階の階段が急なので昇降機を改築で取り付けました、浴室で転倒しないよう摑まり棒や浴槽マットを活用しました。

トイレでも立ち上がりをサポートするための摑まり棒を設置しました。浴室とトイレのつかまり棒や浴槽マットはケアマネージャーから紹介された会社からレンタル利用しました。母から「玄関でも摑まるものが欲しい」とリクエストがあり玄関にも手摺を設けました。

尚、地域包括支援センターや福祉制度を活用したりケアマネージャーに相談すれば、介護用品のレンタルや購入に関する情報が得られるので相談してみましょう。

定期的な環境の点検と改善の必要性

介護環境は一度整備したら終わりではなく、定期的な点検と改善が必要です。被介護者の状態が変化するので、その都度住環境や設備を見直すことが重要です。日常生活の中で危険な箇所がないかを定期的に確認し、予算に応じて修繕やレンタル品の見直しを行いましょう。これにより被介護者の安全で過ごしやすい生活をサポートできると思います。

2. コミュニケーションと精神面のサポート

コミュニケーションのための傾聴と話し合い

介護の現場においては、相手の気持ちに寄り添い理解に努めることが非常に大事です。高齢者や要支援者は、日常生活の中で身体的な不便さや孤独感を感じることが多いため、話をしっかりと聞く「傾聴」の姿勢を持つことが大切です。

私の母は耳が遠いため補聴器を利用していました。そのため何かとコミュニケーションを取りずらいこともありましたが「母が何を思い、何を感じているのか?」をくみ取ることを意識していました。傾聴で意識したことは、リスペクトしていることや安心感を伝えられるよう心掛けました。

また母とは介護サービスについて「困ったことはないか?」「楽しくできているか?」等気軽に話し合えるよう心掛けていました。特にデイサービスから帰宅後、持ち帰ったプリント等に目を通しながら「その日の出来事や、食事、お仲間と喋ったこと」を話してもらいました。

孤立を防ぐための交流や支援の方法

高齢者が孤立することを防ぐためには、交流の場や支援ネットワークの活用が重要です。地域で行われている介護予防・日常生活支援総合事業の一環として、デイサービスや地域包括ケアの取り組みを利用しながら、新しいつながりを持つチャンスが生まれます。

母親はデイサービスを利用して「体操や昼食、趣味の時間」等に参加させてもらいました。デイサービスで受けるサービスや相談事はケアマネージャーにサポートいただきました。母は近所で毎朝行われるラジオ体操や地域の交流教室にも参加していました。

 

3. 体のケアと日常動作のサポート

入浴や排泄、食事のサポートにおけるポイント

日常生活の中で入浴や排泄、食事のサポートは、介護を必要とする方にとって身体的なケアや、精神的な安心感につながる重要なポイントと考えています。入浴の際には安全を優先し、浴室で転倒を防ぐための手すり設置や滑り止めマットの活用が多いと思います。我が家でも設置しました。

またケアマネージャーから「送迎付きの入浴サービス」も紹介してもらい利用しました。母が入浴時に座りながらのシャンプーが大変になったからです。トイレでは座る時や立ち上がる時の手摺を設置しました。自力での排泄が困難な場合は、介護用おむつやポータブルトイレも選択肢に入るでしょう。

食事をサポートする際には、食材をやわらかく調理するなど、個々の嚥下能力に応じた工夫が必要です。私は生協の総菜提供サービスを活用していました。嚥下能力のサポートとして、デイサービスで歯磨き指導を受けていました。

体力やリハビリに向けた軽い運動の導入

要支援者の体力を維持し、日常生活をより快適に送るためには、無理のない範囲でリハビリや軽い運動を取り入れることを意識しました。具体的には、ケアマネージャーに相談して訪問リハビリ運動サービスを利用して、母に座ったままできるストレッチや足踏み運動してもらいました。

また、地域包括ケアシステムの一環として提供されている介護予防サービスを利用すれば、身体機能を向上させることも可能なようです。運動は筋力低下の防止に繋がり、社会的交流や心理的な充実感にもつながるので大切です。

介護者が無理をしない介助方法の選択

介護者自身が無理をせず、安全に介護を行うことも大切です。介護は一次的な場合もありますが、継続することが多いからです。また、福祉・介護総合事業が提供する訪問サービスなどを上手に活用し、一部のケアをプロに委ねることも大事です。

介護を担う側の健康が維持されることは、最終的には要介護者のためにもなります。長く安心して介護を続けるためにも、無理をしない方法を選びましょう。

要介護度に応じたサポート内容の調整

日常生活のサポート内容は、要介護度によって見直ししましょう。例えば、要支援1では部分的なサポートで済む場合もありますが、要支援2やそれ以上の状態では、より手厚い介助が求められることがあります。

福祉・介護総合事業やデイサービス、訪問介護など、多様なサービスを活用しながら、個々の状態や必要性に応じたケアを検討・計画・見直しすることが重要です。

定期的に状況を振り返り、変化に適応することで、要支援者が可能な限り自立した日常生活を送れるよう環境を整備する心構えが大切です。

4. 介護者自身のケアと支援

介護疲れを防ぐための休息時間の確保

介護者が自身の健康を守るためには、適切な休息時間の確保が不可欠です。日々の介護は体力や精神面に大きな負担を伴うので、休む時間を意識的に設けることが重要です。また、短かい時間でもリフレッシュすることがストレス軽減に繋がります。

私も母の介護で「疲れたな」と感じたら短い時間仮眠したり、甘いものを食べたりして休憩しました。日常生活の中での工夫として、デイサービスを利用したり専門の介護サービスに部分的に介助を任せることを検討することもおすすめです。

地域や専門機関のサポートを利用する

介護者が一人で全てを抱え込むことなく、地域の福祉・介護総合事業や専門機関の支援も活用しましょう。訪問型の介護やデイサービスなどを利用することで、介護の負担を軽減することが可能となります。

また、地域によっては介護者向けの相談窓口や交流イベントが開催されているので、行政のHPや地元の情報誌をチェックしてみるとよいでしょう。

周囲との協力体制を築く方法

介護を一人で担うのではなく、周囲との協力して介護を行う考え方は大切です。家族や兄弟と役割分担を行い、負担を分散させることで、介護の質を向上させることができます。また介護者自身の疲れやストレスを軽減できます。

またNPO、ボランティア団体との連携も可能なので調べてみるのもおすすめです。「地域包括ケアシステム」等の取り組みを活用できれば、住み慣れた地域で安心して介護する環境づくりが可能になるでしょう。

まとめ

日常生活の中で介護を行うには「準備(介護環境の整備)」、「具体的な生活面でのサポート(入浴、排せつ、食事)」「介護者とのコミュニケーション」を考えることが重要です。また「介護をする人の介護疲れ」対策をとることが、継続的に介護を行うには欠かせません。

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